副作用と相互作用(飲み合わせ)に注意する
HIV治療を画期的に躍進させた抗HIV療法ですが、抗HIV療法が開始された当初は副作用が多く報告されていました。
しかし、現在では抗HIV薬の進歩により重篤な副作用の報告はかなり減少してきています。
短期副作用と長期副作用
抗HIV療法では複数の抗HIV薬を組み合わせて服用しすることになりますが、例え、効果が似た同じ作用グループの薬でも副作用は違ってきます。
抗HIV薬で現れる副作用は、大きく短期副作用と長期副作用の2つに分類でき、それぞれ以下のようなものが多くなります。
【 短期副作用 】
主に発疹、下痢、吐き気・嘔吐などの症状で、
飲み始めから2週間以内に起こりやすい。
【 長期副作用 】
脂質異常症、腎障害などの症状。
一定期間服用したあとの、症状が安定してからでも
症状が現れやすい。
また短期副作用は、症状が現れても抗HIV薬の服用をすぐに止めず、継続して服用することで症状が治まることも多いです。
副作用の症状が軽度で頑張って飲み続けることが出来るのであれば、いずれ症状が治まる可能性がありますので、すぐに服用を止めないほうがよいかもしれません。
相互作用(飲み合わせ)
抗HIV薬の中には、相互作用(飲み合わせ)が問題となりやすいものもあります。
日和見感染症や長期副作用の治療を行いながら抗HIV療法を実施する場合は、特に相互作用(飲み合わせ)に気をつけなければいけません。
例えば、長期副作用である脂質異常症の治療では、抗HIV薬との併用ができないものが多いので注意しなければならない、などです。
また、相互作用(飲み合わせ)の1つとして、服用する時間やタイミングも重要になります。
食後や食中、食間、食前など、服用するタイミングも効果に大きく左右する抗HIV薬もありますので、これらは必ず決められたタイミングで服用するようにします。
治療を進めていくと、悪性腫瘍が出来てしまい化学療法を開始しなければならない場合も出てくるかもしれませんし、精神的な理由から抗HIV薬を変更しなければならない場合も出てくるかもしれません。
これらの理由から合併症の治療を優先せざるを得ない場合は、相互作用(飲み合わせ)の少ない抗HIV薬を服用するようにしましょう。
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